人は老いる、年とともに。これは、まぎれもない事実である。何とも致し方ない。人知でどうこうできるものでもない。
古くは秦の始皇帝が不老長寿の薬を求め、徐福を使わせた。それでも、そのような仙薬は手に入らずに、詮無い結果に終わったとある。
不老長寿はあり得ない。しかし、長寿はあり得る。今の時代のリスクは地震、テロ、雷、火事、次が長寿、そして親父(又はオカン)となると思う。長寿は大きなリスクである。これへの備えは怠るべきではない。
人生50、60年の時代は、ぼける前に死んだ。痴呆症にかかる前に人生が終わっていた。だから、長寿のリスクは限りなくゼロに近い。今人生70年、80年の時代。死ぬ前にぼけが来る。この順番の違いは大きい。
長く生きる人は、死ぬまでぼけない対策を心身面と金銭面についてしておくことが、肝要である。最近のニュースを見ていてそう思う。年金では生活できない、と新幹線で焼身自殺。該当学部学科がなくなり、大学教授が職を失い、生活保護に。老後破産、老後難民、などという言葉が流行しだした現代である。備えなければ、憂いの時期が来る。
そんな時代にボケを防止し、人と交流し、心豊かに暮らす方法がある。それが、投稿仲間となることである。
健康で、死ぬまで若く、イキイキ暮らす方法を私は、教えてもらった。内科医で、杏林大名誉教授石川恭三先生である。先生自身も実践され、御年80歳を超えている。「一読、十笑、百吸、千字、万歩「の五行の実践である。
「一読」一日ひとまとまりの文章を読むこと。できれば、声に出して読むと良い。
「十笑」一日十回笑う。文字通り。笑って友人、知人と仲良くすると、皆幸福感に浸れる。
「百吸」一日百回は深呼吸をする。心が癒される。
十笑、百吸は、意思をもって実行しないと続かない。笑いヨガの先生から、教えてもらった方法で、これは案外楽にクリアできる。
左側拍手、いいじゃん、いいじゃん、右側拍手、いいじゃん、いいじゃん、そしてイエー、で背伸びする。これを、十回行う。
左側拍手、はははん、はははん、右側拍手、はははん、はははん、イエー、で背伸びする。これも、十回行う。これで、十笑、百吸が実行される。他にも、いくつかポーズがあるので、自分に合ったものを選んで続ける。
さて、次からが、難しい。
「千字」一日千字の文字を書き、考えを深める。できるだけ、毎日書く。メモでもいい。できれば、自分で感じ、考えたものを千字にまとめる。投稿し、自分に締め切りを持つとやらざるをえない。仲間から催促されると、書かざるをえない。
「万歩」一日一万歩、歩くことである。
以上二つは一人ではなかなか続かない。仲間といっしょにやることがお勧めだ。一人ではくじけるが、仲間がいると続く。さらに他人と交流するのは、人として、喜びであり、楽しみでもある。
「一読、十笑、百吸、千字、万歩」を独りで実行するのは、私のように意志薄弱なものには、無理である。私はできるだけ、そういう仲間に入ることにしている。生涯青春研究会に入って季刊誌『生涯青春』や『月刊研人』に投稿しているのも、そういう理由が大きい。
他にカラオククラブ、3つ。ハイキング会3つ。百吸、千字、万歩を仲間と一緒にやると続く。
書くことで、生きがいを見出し、長生きした人を挙げる。
柴田とよさん。詩人。90歳から詩を書く。「百歳」「くじけないで」私が好きな彼女の詩集である。
後藤はつのさん。画家。73歳から書き出す。ニューヨークで個展も開く。私の故郷長野の隣妙高の出身。今113歳。100歳超とは思えない鮮やかな色彩の絵は実に若々しい。
グランマモーゼス。アメリカの画家。75歳まで、農婦であったが、絵を描き出し、国民的画家として愛される。101歳没。
早川敏郎さんは、当生涯青春研究会の会員で97歳。60歳から小説作法を学び、94歳にして、500ページに及ぶ小説を出版。ほかに脚本等も出版。私もご本人に会い、大いに感化された。
投稿し、仲間と語り、そんな輪がどんどん広がると、日本も世界も元気になる。そんな夢を見ている今日この頃だ。