我が国は古代より自然豊かな国土であり、人々は自然の中に霊性を観じていたと言われます。「八百万(やおよろず)の神」と云い「山川草木悉有佛性」と称え、自他共存の信仰の基でありました。
寺院の環境も神社のたたずまいも自然と共存する世界を持っているなればこそ、人為的に神仏信仰が別けられた明治以後も、神仏は地理的にも人の心にも分離した存在ではなかったのでした。
また機構や組織が別けられても、戦争や大きな災害を経験しても、神と仏に寄せる思いは途絶えず別けられずに、生活習慣に、心の底辺に根付いてきました。それは理屈を超えた心の世界だからでしょう。
8年前に神社界・仏教界双方から我が国固有の信仰の姿、心の世界を現代に生かそうと、近畿地方150の社寺が結集し「神仏霊場会」が発足したのでした。
近代文明の発達は、自然の恵み、多様な世界、自然界に宿る畏怖すべき霊性をもコントロールできるかのような誤りを犯しているとも言えます。
自然と共存の聖地や霊場といわれる寺社を巡り、自他平等の祈りを捧げ生かされている穏やかな世界を皆で確かめようではありませんか。
皆様が巡拝や参加によって結縁されることをお待ちしております。
神仏霊場 巡拝の道
西国(近畿)の名だたる古社名刹が手を結び、「神仏和合」にもとづく新しい組織「神仏霊場会」を設立し、『神仏霊場巡拝の道』が誕生しました。
参加社寺は伊勢神宮をはじめ150社寺に及び、江戸時代まで盛んに行われた伊勢参りや熊野詣のように、神仏を同時に崇拝していた精神風土を現代に取り戻し、末永く百年千年の規模で展開する巡礼ルートとなっています。
特別参拝 伊勢 神仏同座の道
伊勢は「常世の国」。緑豊かな島路山、神路山の麓に広がる神域。人は宇治橋をわたり神々の聖なる地へ入る。
遙かな太古より流れ続ける清らかな五十鈴川で心身を清め、鬱蒼と茂った杉木立の並ぶ参道を砂利を踏みしめて進む。
伊勢の神宮は、二十年ごとに式年遷宮が執り行われ、森厳な社殿の庭前では古儀による数々の祭祀が厳かに営まれる。
江戸時代、広く崇敬を集めた「お伊勢参り」は、神仏同座の霊場巡拝のモデルである。
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